加茂谷には日本一古い辰砂を採掘した若杉山遺跡がありあます。

「其山丹有(そのやまにたんあり)」と魏志倭人伝の中にも記された鉱物の辰砂。

辰砂とは透明感のある鮮やかな赤色の鉱物で日本では昔「丹(に)」と呼ばれ
古くは縄文時代より、この辰砂から「水銀朱」という赤色の顔料(絵の具)を作っていました。

若杉山辰砂採掘遺跡は弥生時代終わりから古墳時代初め(1~3世紀)にかけて
辰砂の採掘をしていた場所です。

若杉山遺跡からは辰砂から水銀朱を作るための石器も多く出土しています。

弥生時代の終わりごろ日本列島にあったとされる邪馬台国と古代中国「魏」
の間では、お互いの国で取れた辰砂を贈りあったのです。
その時代の辰砂採掘遺跡としては全国で若杉山にしかない遺跡で
令和元年10月16日に国の史跡に指定されました。

弥生時代という遥か遠い時代から、この加茂谷は大陸からも注目された
重要な地域だったかも知れません。
若杉山辰砂採掘遺跡は加茂谷の人々に誇りと勇気を与えてくれる
遺跡といえます。

資料提供:阿南市 文化振興課